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H19に続けてH20もあえなく学科オチ・・・ そしてH21への挑戦が始まった! 独学でねばります(°∇°*)
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Thu , 2024/11/21
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Wed , 2008/09/10
15:08:08
ル・コルビュジエ
ル・コルビュジェ (1967年)


1967年刊。救世軍・スイス学生会館・サラバイ邸・マルセーユ・ロンシャン・ラ・トゥーレットなど有名どころが磯崎新さんの解説つきでひととおり紹介されています。
写真はほとんど白黒なのですが、コルビュジエの作品で私が過去に見たことあるものもほとんど白黒なので、たまにカラーが入ると「えっ、こんな色だったんだ!!(意外にカラフル!)」と、はっとしますね。


坂倉準三さんの巻頭言によると、

「ル・コルビュジエは彼を理解しないものや,彼の信念を曲げさせようとするものなどに対してはまことに,荒々しい反応を示すのであったが,しかし,彼は自分を理解しようとしないでいて,対抗するものに対してだけ,まことにあつかい難い頑固な人物であったに過ぎない。」
とあります。

そのエピソードの一例として、「数年前,ある雑誌にのせたル・コルビュジェと私とのつながりの一片をつたえた随筆の中からの抜粋である。」の中から。少し長いですが。


「君,もう少し早く来てくれると思っておったのに,たしか6時に
約束したんじゃなかったかしら」先生は一時間近く遅れて行った私を
見て,少し悲しそうに,しかし私があらわれたので安心して,まずそ
ういった。1960年の夏7月8日,パリのブーローニュの森に近い先生
の住いに,夕食を共にしながら語ろうというので招かれた時のことで
ある。私は実はタクシーが容易に見つかると思って,時間ぎりぎりま
で街の中で用たしをしていた。いよいよ車を拾おうとして,コンコー
ドの広場近くまで出て来たが,夕方のパリは,空車が全然見つからな
い。あきらめて地下鉄でいったために,とうとう先生を一時間余り独
りぼっちで待たせることになってしまったのだ。その時先生と会うの
は3年振りで,最愛の奥さんを亡くされてからはじめて会うわけだっ
た。先生は奥さんを亡くされてから,住いには前からずっといた手伝
いの女の人だけを置いた全くの独り暮しだった。
 まずアトリエで愛用のパスティス酒(マルセーユ地方のペルノ酒の
一種)をのんで,お互に無事に活動していることをよろこびあった。
先生が元気ですばらしい創作活動をつづけていることは,アトリエに
腰を下しただけでわかった。ル・コルビュジエはその時73才になって
いた。「君,医者がこの間僕の身体を診て45才だといったよ」。3年前,
病む奥さんを世話しておられた時の疲れた姿は,今では夢のようで,
溌剌とした元気さで本当にうれしかった。「僕は今も毎日進歩している
んだよ,そういうことを自分で感じるよ」。
 ル・コルビュジエは本当にうれしそうだった。いよいよ食卓につく
と,私のナフキンの上に,一つの美しい貝殻がおいてある。「それ開け
てご覧」私は一瞬ためらった。以前奥さんの健在の折,パリに来る毎
に,必ず一度はここで夕食のご馳走になったのだが,親しい友を招く
時のイヴォンヌ夫人のたのしみで,食卓には必ず一つか二つ,びっく
りするような仕掛けがしてあった。肉を切ろうと思うと,そのナイフ
が二つに折れるようになっていたり,煙草の箱をあけると,中から玩
具の蛙がとび出したりした。それを私は思い出したので,この貝殻を
あけるとどういうことになるかなと一寸考えた。そういう私の気持を
察してか先生は黙って笑っている。
 おそるおそる貝殻を開けて見た。中はからっぽで,貝殻の裏に「サ
カクラへの友愛をこめて,ル・コルビュジエ1960年7月8日」と黒い
インキで記されてあった。心から私をその日招いてくれた気持を貝殻
の文字に託しておかれたのだ。私は一瞬目がしらが熱くなる思いだっ
た。
 「君,僕はこの頃夕食は余り食べないんだよ。しかし,今晩は君を
呼んだんだからちゃんと食べるよ」実は私も前から下痢をしていたが,
今晩は普通に食事をしないと申しわけないと思っていたところだった。―――



(´・ω・`)

(´;ω;`)ブワッ


っコルーーーーーっっ!!!(涙)


坂倉さんの文章がうまいのでしょうかね。。。



昔の本ですが、その分静けさと品位と重みを感じさせる本です。


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¥998,000て~!!ヾ(゚ロ゚;)ノ
私は図書館で借りました(笑
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